あぼぼーぼ・ぼーぼぼ

のんびり生きたい

『問いかけの作法』を読んだ

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一人では出せない成果を出すために集合知(集団脳)を活用するうえで「問い」というのが大事そうだ、というのはいくつか本を読んだりしてわかったのですが、本書はその問いを現場で実践する際のプラクティスがたくさん書いてありました。問いの「組み立て」だけではなく、その前後の「見立て」「投げかけ」も含めた「問いかけ」という行為に関する実践的な本です。

実践的な本なので、実際にチームのミーティングで色々試してみています。例えば「パラフレイズ」でチームの中で定義が曖昧になっていそうな言葉にユサブリをかけたり、質問の組み立てで主語を「私たち一人一人」にして方向性を調整したり。いずれにしてもチームのポテンシャルを引き出すためにはどうしたらいいか?を考えチャレンジするのは楽しいもんです。

「問い」だけ大事にしようと思うと、アフターフォローとしてのこの辺りがおざなりになってしまうだろうと、読んでいてハッとしました。

しかし忘れてはならないことは、質問に答えてくれた相手の反応に、ポジティブなフィードバックを返すことです。

(中略)

また、ミーティングの流れのなかでは、深い価値観に迫るような質問など、相手にとって「答えにくい質問」を投げかけざるを得ない場面もあります。そのようなときには、以下の例のように、質問に向き合ってくれたことに対するポジティブフィードバックがとても重要です。

(中略)

質問に対して「良い答え」が得られたときにだけ、質問の内容に対してポジティブなフィードバックをしていると、無自覚なうちにチームはだんだんと「正解」を探すようになり、ファクトリー型のチームに後戻りしてしまいます。 p354

問いかけるのは、正解を引き出すためでもなく、相手を試すためでもなく、相手の個性を引き出してチーム全体の集合知を高めるためだと改めて意識したいですね。